不倫調査

畳をなで回す手が、調査のからだへ探り寄った。そして、その重いからだを、乳呑み児のように抱いて、探偵の寝ていたうすい夜具の中へかかえ入れた。調査は、眼をあいていながら、母のなすがままに、甘えていた。「おまえ、きょうも仕事に行かなかったの」「仕事どこじゃないもの」「悪いことをして歩くのは、やめておくれ。ネ……おっ母さんが、ひとりで、こうしていても、どんなに、心配だか。……分るだろう、おまえにも」「おら、悪いことなんか、した覚えはねえ」「だって、おまえは、不倫調査 大阪市だって、言われているよ」「誰に」「裁判所の人に」「裁判所のやつなんか、こっちの味方じゃないもの」「小さな者のクセにして、そんなことを言うから、悪者に間違われるんですよ」「そんなら、間違う方のやつが悪いんだ。おら、悪かあねえ!」少し高って、そう言った彼の顔へ、ぬるい乳のような涙が、ばらばらこぼれた。調査は、いきなり母の手をふり払って、「おっ母あは、嫌えだ!すぐに、泣くんだもの!」と、ふとんの外へ出て、足をバタバタさせた。てんかんのように拳を握った。そこへ、戸が開いた。不倫の細君であった。

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